CDJの基本的な使い方(その2)
さてさて、「その1」では再生の仕方とピッチの操作までを説明しました。
次に実践で使う機能について説明します。もう一度CDJの全体像を眺めてみましょう。

CDJの中でも大きく場所をとる円盤、これが「JOG」と呼ばれるコントローラーです。これこそがこのCDJをDJプレイとして使う場合の重要な機能です。
前にも取り上げましたが、アナログターンテーブルを用いたDJでテンポの違う曲をピッチフェーダーで調整してテンポを合わせることそのものが、DJスタイルの革命といえるものでした。ただし、ただピッチを合わせただけだと、尺、つまりタイミングはあってないわけで、キックがばらけたり、妙なところで曲が始まったりするので、DJはターンテーブルやレコードそのものに直接触れてコントロールしているのです。

アナログターンテーブルの操作例
このコントロール方法を踏襲したものがCDJ-1000mk3のJOGとして備わっています。CDJ-1000mk3のJOGには2つの機能があります。過去に発売されたCDJシリーズを踏襲した「CDJモード」とアナログターンテーブルのような操作ができる「VINYLモード」です。それぞれの機能についてみてみましょう。
まず「CDJモードです」CDJ本体の右側にある「JOG MODE」ボタンで「CDJ」を選びます。

CDJモードの場合、JOGは再生されている曲の送り出しの微調整を行います。右に回すとすこし早回しに再生され、左に回すと少し遅く再生されます。この機能は何に使うのか?これが先ほどのアナログターンテーブルの解説にありました尺やタイミングを調整する機能になります。
たとえばピッチもあってて、あとは再生ボタンを押せば同じテンポであっているけど、ついうっかり再生ボタンを押すタイミングを誤ってキックのタイミングがかみ合ってない!これはDJとしてかっこ悪いですよね。そこで、リアルタイムにずれを調整できるのがJOGの機能です。
このJOGを前後させて前にかかっている曲とのタイミングを微調整するわけです。ピッチがあってる状態で先に再生されている曲よりも楽曲が遅れてる場合は右に回し、先に進んでる場合は左に回してタイミングを合わせます。
次に「VINYLモードです」

このモードはこのCDJ独特の機能で、上面の円盤の部分を触れるとまるでアナログレコードに直接触れたかようにCDの盤面を操作できます。ヒップホップなどでよく使われるレコードをこする「スクラッチ」という技法と同様の操作が可能になります。

上面の円盤に手で触れますと止まり、触れた状態で右に回すと手で回転させる速度で再生され、左に回すと逆再生されます。
この機能を使いますと、アナログターンテーブルのようにレコードに直接触れて前の曲との再生するタイミングを合わせたりできるので、従来からアナログレコードでDJをされている方にも好評な機能です。またこのVINYLモードでも円盤の縁の部分はCDJモードと同様に送り出しの微調整ができます。
さて、ではそろそろ「その1」で後述しますと言っておいてほったらかしの「CUE」ボタンについて説明します。

実際によく使われてるようであまり使われてないこともある「CUE」ボタン
「CUE」は曲の先頭からのみでなく、曲が再生される場所を任意で設定しておくことができる機能です。たとえば曲のイントロはリズムも入ってなくて静かに始まるけど、先に再生されている曲が既にキックがガンガンなってるので、リズムが入ってるところから再生してミックスしていきたいという場合に便利な機能です。CDJ-1000mk3では先ほどお伝えしたとおり、CDJモードとVINYLモードがあり、CUEの設定が少々異なりますので、まずはCDJモードから説明します。
では具体的な操作方法に入ります。あらかじめリズムが入ってくるタイミングをJOGやSERCHボタンで見つけます。

普通に再生ボタンでスタートさせた状態の表示。先頭に「CUE」の目印が出ています。
リズムが入ってくる箇所が見つかったら、再生ボタンを押して一時停止します。この際、CUEボタンの設定がまだですと「ダダダダダダ」と断続的に音が繰り返し再生されます。ここでJOGを前後させると一時停止した位置を変更することができますので、キックの音から再生させたい場合などは、そのポイントを選び、CUEボタンを押すとそこが再生するスタートポイントになります。

CUE設定が完了した状態。曲の途中にCUEが移動しています。ここでCUEを押すとCUEの位置を確認できます。一度CUEを設定するとCUEボタンを押すたびにCUEで設定した部分に戻り、再生ボタンを押すとCUEで設定したところから再生されます。
VINYLモードでは一時停止ボタンを押すとアナログレコードが停止したような状態になります。

ここでJOGをまわしてレコードを手で回してるのと同じ操作感覚でCUEのポイントを設定します。

CUEが設定された状態。CUEマークが設定したポイントに移動しています。
CUEの面白い使い方として擬似的にサンプラーのような使い方ができます。CUE設定後はCUEボタンを押すと設定した箇所から再生されるので、ブレイクや声ネタなどの部分をCUE設定しておくと、CUEボタンを押すごとに再生されます。たとえば歌ものとかで「あなたーがーこなーいー」の部分の頭でCUEを設定ていおくとCUEを押してる間だけ再生されるので前の曲のリズムに合わせてCUEボタンを押すと「あなたー、あなたー、あああなたー」といった具合です。ただ本来の使用目的は前述のとおり、曲の途中からいつでも再生できるようにする機能ですので、まずはこのCUEを用いてジャストなタイミングからミックスを施して上手なミックスができるようになりましょう。
以上、ここまでがCDJ単体での操作方法の説明でした。次回は実際のミックスについて書いていこうと思います。

















